海外から来日されるVIP(国賓クラス)の方,要人の方,著名人の方の警護サービスは、一般の方々の警護や他の警備業務とは、様々な面で異なりますので、招聘元となる企業様やセキュリティを任された担当者様は、事前に十分注意しておく必要がございます。
(1)警備対象者様の社会的地位・社会的知名度
社会的地位の高い方や、社会的知名度の高い方は、その存在自体が非常に重要で、ちょっとした怪我やトラブル,スキャンダルなどが発生すると、ご本人はもちろんのこと、関係者,スポンサー企業,招聘元企業などに大きな影響を及ぼします。中には、世界経済がひっくり返るほどの影響力を持たれている方も多くいらっしゃいます。
これほどの影響力を持つVIPや要人の方のセキュリティは、非常に重要かつ大きな責任を伴うため、専門的な警護技術・知識,豊富な警護経験を持つ要人警護の専門家が必要となります。
ここでは、要人警護技術に関する専門的な話しは割愛いたしますが、要人警護サービスには、警護と同じくらい重要なマター(事柄)があります。
それは、VIP・要人の方へのアテンドサービスです。
日本滞在期間中、警備対象となられる方の身体の安全を守るのはあたりまえのことで、その方の持つ社会的イメージや、ご本人の要望,関係者・スポンサー等との友好的関係,ストレスのないスムーズな行動と快適な滞在などを同時に確保していく必要があります。
身辺警護・要人警護サービスを、単に身体の大きなボディーガードが警備対象者様の身体を守るだけの仕事だと勘違いされていらっしゃる方も多いのですが、警備対象者様の最も近くに位置し、最も多くのコミュニケーションを取るボディーガードは、ご本人の身体を守ることはもちろんのこと、ご本人の要望を聞くなどして、快適な滞在をサポートしたり、不必要なトラブル・スキャンダルなどが起きないよう、助言することなどもあります。クライアント(依頼者)様に代わって、警備対象者様のアテンドを行うのも、要人警護サービスを行うボディーガードの役割の一つです。
クライアント様と警備対象者様との間に位置するボディーガードは、常に両者の友好的関係の「潤滑油」になることを心がけています。日本を発つ最後の日に、警備対象者様ご本人はもちろんのこと、招聘した企業様や担当となったクライアント様など、関係者全員が幸せな表情になるよう、陰で支えるのが我々ボディーガードの責務です。
(2)VIP・要人との接し方
VIP・要人の方々は、一般の人たちと生育歴や日ごろの生活スタイルが異なるため、接し方には注意が必要です。また、海外から来日するVIP・要人の場合、さらに宗教的な問題や文化的な違いがあるため、日本のVIP・要人とも接し方が異なります。
警備対象者の90%以上が海外のお客さまであるCCTTは、海外からのVIPや要人の方,社会的知名度の高い著名な方などを対象とした、VIP警護・要人警護サービスを得意としています。
これは、日本の他の警備会社と異なり、警護技術の発祥が海外であること(※),要人警護の国際組織に所属し、外国人のVIP・要人に慣れていること、などが理由です。
CCTTは、海外のロイヤルファミリー(王族)から直接警護の指名が入るなど、海外においても、その警護能力やVIPアテンド能力が認められております。
※日本の警備会社のほとんどは、日本の警察から指導を受けた日本発祥の警備スタイルであるため、海外の警備技術とは、かなりかけ離れています。
(3)施設警備やイベント警備との違い
日本では、施設警備やイベント警備などを行っている警備会社が、臨時で身辺警護や要人警護サービスを行うことがあります。しかしながら、海外VIP・海外要人に対する警護サービスは、その特殊性から、臨時でできるほど簡単なものではありません。中には、警護の教育訓練をまともに受けていない、普段は施設警備やイベント警備を行っている制服警備員が、スーツを着ただけで、「ボディーガード」と称して要人警護を担当する場合もあります。
日本人は基本的にまじめな性格であるため、このような「とりあえずボディーガード」であっても、それなりに「警護っぽく」見せることはできますし、何事も起きなければ、ちゃんと仕事をした「ような」感じになります。しかし、海外のVIPや要人は、このような素人ボディーガードをすぐに見抜きますし、何かあった際には、当然適切な対応などはできず、大きな被害を生みかねません。
要人警護には、要人警護の専門的知識・技術・経験が必要です。海外要人の警護には、さらに外国人VIPへの接し方,外国の文化への理解などが必要不可欠です。
(4)「人を守る」ということ
要人警護業務が、建物や現金を守る他の警備業務と最も大きく異なることは、その警備対象が「人」であり、かつ世界的に影響力を持つ、「社会的地位の高い方」や「社会的知名度の高い方」である点です。
「人」には、それぞれの「ライフスタイル(生活)」があり、そのライフスタイルを安全かつスムーズに実行させるのが、身辺警護業務です。
施設警備業務やイベント警備業務,貴重品輸送警備業務などは、建物やイベント,現金といった「モノ」が最初にあり、その「モノ」にあわせて、後から警備体制が構築されます。
これに対し、警備対象が「人」である場合、まず最初にその「人」とその人の「ライフスタイル」を鑑み、そこに、その人が出席する記者会見などのイベントや、イベント会場という建物,滞在先であるホテルなどの「モノ」が追加されていきます。
身辺警護・要人警護業務は、その「人」を日本に呼ぶ、と決まったところからその業務が始まります。
警備対象となるその「人」をことを調べ、その人に起こりうる脅威(危険)を分析した上で、滞在ホテルの選定や、イベント会場の安全性,会場設営の際の注意点や、移動動線の選定などを、招聘元企業様やイベントを委託されたイベント会社様等と事前に話し合い、その「人」が日本に降り立ったところから、日本を発つその瞬間まで、いかにスムーズに、安全に、そして来日イベントを成功させるか、を一緒に考え、準備して参ります。
(5)要人警護サービスの依頼方法
要人警護サービスのご依頼で、時折、ご依頼方法を間違われる方がいらっしゃいます。
「○月○日から○日まで来日する著名人の警護に、ボディーガードを4名お願いしたい。」といったご依頼です。
この情報には、日本に到着する日と出発する日、そして警備対象者が誰か、という情報しかなく、この少ない情報から、警護に何名のボディーガードが必要かは算出できないのです。
また、ボディーガードが何名必要なのかは、様々な情報を頂いた後に、警護の専門家である私たちが、脅威(危険)の分析をし、算出すべきことなのです。
ボディーガードの人数などの警備体制,警備に必要となる費用見積りなどを算出するには、最低でも、下記の5つの情報が必要となります。
5-A)警備対象者情報
警備対象となられる方の氏名,性別,年齢,職業,社会的地位,社会的知名度 など
5-B)ロケーション(場所)に関する情報
利用空港,滞在ホテル,イベント会場,訪問先などの情報と訪問理由 など
5-C)スケジュールに関する情報
来日日程,行動スケジュール など
5-D)脅威(危険)に関する情報
内的脅威…警備対象者自身が持つ脅威。持病やアレルギー,身体の不自由,精神面 など
外的脅威…警備対象者に外から近づく脅威。脅迫の有無,襲撃等の可能性,熱烈なファン など
5-E)情報に関する情報
情報公開度…今回の来日に関して、どの程度の情報をどの程度公開しているのか など
ルーティーン情報…来日の際に取る行動パターンの有無 など
お問い合わせやご依頼の段階では、上記5つのすべての詳細情報をお持ちである必要はございませんが、少なくとも、上記5つの情報がないと、要人警護に必要な「脅威の評価」ができず、ボディーガードの人数や警備体制,必要な警備料金の算出もできない、ということをご理解いただければと思います。
(6)海外VIP・海外要人を日本に招く際に必要な準備
イベント企画等は、その専門家であるイベント会社等にお任せすることになりますが、VIPや要人のアテンドとセキュリティに関することは、すべて私どもで行うことが可能です。
海外からVIPや要人,有名人を招く場合、下記のような準備が必要となります。
6-A)空港アテンドサービス
コマーシャルフライト(いわゆる定期便の飛行機)であっても、プライベートフライト(いわゆるプライベートジェット)であっても、到着した日本の空港において、警備対象者様や同行してきた関係者の方々と、その荷物をピックアップし、私たち警護の者に引き継ぐ役割の人たちが必要となります。
日本の空港は海外の空港と異なり、法律上、私ども警護の人間が飛行機まで出迎えることが許されておりません。そのため、各空港にある「空港サービス会社」や「グランドハンドリング会社」のサービスを利用する必要が生じます。こちらのスタッフは、飛行機まで出迎えるパスを持っているため、私どもに代わってVIPや要人の方々を飛行機の扉の前で出迎えることができます。彼らは、警備対象者様方の荷物のケアもしてくれます。ボディーガードは、この空港サービス会社やグランドハンドリング会社スタッフの方々と協力して、VIP・要人の受け入れを行います。
また、空港PR(ファンやメディアを呼び、来日を大々的にアピールするイベント)を行う場合、事前に空港会社等と打ち合わせ、許可を取り、別途、雑踏警備員や規制線の配置,ベンチの移動などを準備する必要があります。これらは、私ども警護担当と、空港PRを企画するイベント会社様,空港会社様,雑踏警備を担当する警備会社担当者様等と事前に打ち合わせを行い、お互いに必要な情報を共有しておく必要があります。
6-B)車両&セキュリティドライバー
移動には、通常「車」を利用します。海外VIP・海外要人・有名人の場合、車の選定も重要となります。先方から車種のリクエストがきている場合、事前にお知らせ頂き、その車両が警備上問題がないかどうか、私どもが検討いたします。また、私どもが車両やドライバーを手配することも可能です。提携しているハイヤー会社と連携し、VIP・要人を乗せることのできる車両の手配と、必要な技術・経験を持ったプロのドライバーを用意いたします。
海外VIP・要人の来日に併せ、「セキュリティドライバー」のリクエストが入る場合がございます。セキュリティドライバーとは、ハイヤードライバーのような運転と地理のプロフェッショナルが、さらにセキュリティの特殊な教育と訓練を受け、VIPや要人の乗る車両のドライバーとして運転ができる者を指します。日本では、残念ながら、このセキュリティドライバーの教育訓練が活発ではなく、いまだに、セキュリティドライバーと呼べるレベルのドライバーはほんの一握りです。CCTTでは、提携ハイヤー会社ドライバーにこの技術を指導し、セキュリティドライバーとして運転のできるプロフェッショナルドライバーとボディーガードのセットで、VIPや要人の警護にあたっております。
6-C)滞在ホテル
通常、海外から来られるVIPや要人,有名人の方が滞在するホテルは、来日目的や訪問先,警備対象者からのリクエストなどを考慮し、選定されます。しかしながら、ここにはセキュリティ的な要素が含まれていないことが多いです。VIPが滞在するような高級ホテルであっても、平和な日本では、そのセキュリティがあまく、不審者や熱烈なファンが勝手に滞在フロアまで上がって来れてしまう造りのところも多いのが実状です。もちろん、警備対象者様が快適に過ごされるために、高級なホテルを選定することは間違っていません。私どもは、セキュリティの視点から、そのホテルが滞在に適しているのか、ホテルのセキュリティ上の弱点はどこにあるのか、ホテルとの協力体制が取れるか、なども考慮し、最適なホテルを提案させて頂いております。来日VIP・要人・有名人の警護を得意とするCCTTでは、既に、様々な高級ホテルと協力関係にあり、セキュリティ上の協力はもちろんのこと、VIPや要人の方へのサービスについても、様々な協力体制がとれるようになっております。
滞在ホテルの、我々セキュリティへの協力は不可欠です。警備対象が有名人の場合、熱烈なファンがホテルまでついてきてしまったり、ホテル出口で「出待ち」することも多々あります。このような時に、裏動線を使わせていただいたり、搬入口を車両の乗降車場所として利用させていただいたりします。要人警護業務では、必ず事前にホテル側の担当者様と打ち合わせ,現地下見を行い、これらの協力体制がとれるよう準備しておきます。
6-D)施設警備・イベント警備
滞在ホテルに常駐している警備会社や、訪問先の施設警備を担当している警備会社,イベント等で雑踏警備や施設警備を担当する警備会社など、要人警護業務では、他の警備会社との接点が多くあります。これらの警備会社との連携・協力体制もとても重要であるため、事前に責任者の方と顔合わせや打ち合わせを行っておく必要があります。招聘元企業やイベント会社等の担当者様が、これらの担当警備会社の責任者とお打ち合わせをされる時は、我々要人警護担当もご同行させていただき、協力体制を構築しておきます。
(7)要人警護サービス 準備手順
要人警護サービスでは、突然お電話をいただき、「明日お願いします」と言われましても、実施することは、ほぼ不可能です。
これは、事前に様々な準備が必要なためです。例えば、3日間来日する海外有名人の方の警護サービスの場合、その準備に、2週間から1ヵ月間の時間を要します。
要人警護サービスを行う際、私どもボディーガードは下記のような4つの手順を踏みます。
STAGE #1(情報収集)
適正な警備体制を検討するため、必要な情報の収集を行います。まずは、招聘元企業担当者様やイベント会社担当者様等へのインタビューを行い、警備対象となられる方の情報や、場所・時間に関する情報,脅威や情報公開に関する情報などを集めます。
STAGE #2(情報分析・脅威評価)
STAGE #1で集めた情報を基に、警備対象者様来日における脅威(危険)を洗い出します。またその脅威がどの程度起こりうるのか、その脅威が発生した場合、どのような被害が想定されるのか、など、脅威の分析と評価を行います。
STAGE #3(警備計画・警備準備)
STAGE #2で実施した脅威評価結果を基に、適正な警備体制の構築やご予算とのすり合わせ,警備対象者様や依頼者様のご要望とのすり合わせなどを行い、警備計画を立案します。その後、警備実施に向けた準備(アドバンスワークと言います)を開始します。アドバンスワークでは、利用空港や滞在ホテル,イベント会場などを実際に訪問し、現地下見や各所の担当者様との打ち合わせなどを行います。
STAGE #4(警備実施・警備補正)
STAGE #1~#3の事前準備に基づき、来日当日、警備を開始いたします。空港グランドハンドリング会社と連携し、警備対象者様のフライトが無事に日本に向かっているかどうか、の確認から始まり、日本到着,空港受け入れ,車両へのエスコート,車両移動……と、スケジュールに合わせて行動します。
当日は、警備対象者様はもちろんのこと、同行関係者様,招聘元企業担当者様,イベント会社担当者様等との連絡・連携を密にしながら警備を実施します。また、状況を見て、警備体制を補正したり、強化したりするなど、フレキシブル(臨機応変)に警備を行い、常に最適な警備体制を維持します。
(8)要人警護チーム編成
要人警護サービスでは、通常下記のようなチーム編成で警備を実施いたします。
8-A)身辺警護チーム
PES(Protective Escort Section)と呼ばれる警護チームで、警備対象者様の最も近くで警護を実施し、最後の砦としての役割も担います。
常に警備対象者様と行動し、車両移動中は、このチームのリーダーが、警備対象者様がお乗りになる車両の助手席に乗り込みます。通常、警備対象者様が滞在されるホテルの部屋のすぐ近くに「セキュリティルーム」と呼ばれる警備用の部屋をご用意いただき、夜間も緊急時対応できるようスタンバイします。
8-B)先発警護チーム
SAP(Security Advance Party)と呼ばれる警護チームで、警備対象者様やPESがこれから向かう訪問先等に先行し、移動ルート上の安全確認や、車両降車場所及び周辺の安全確保,訪問先会場等の担当者様とのコンタクトなどを行い、警備対象者様とPESの受け入れ準備を行います。
8-C)ホテル部屋前警備チーム
RST(Residential Security Team)と呼ばれる警護チームで、警備対象者様が滞在されるホテルの部屋前やフロアを中心に、24時間体制で警備を実施します。
警備対象者様が部屋を出られた後も、ルームサービスやハウスキーピングなどの部屋の出入りを監視し、ログ(記録)を付け、警備対象者様の私物等が部屋から持ち出されたりしないよう、警戒いたします。
夜間も常時警戒し、不審者の侵入やファンが上がってきた際の対応などを行います。
8-D)車両&ドライバーチーム
VS(Vehicle Section)と呼ばれるチームで、車両とセキュリティドライバーで構成されます。セキュリティドライバーは、単に車を運転するだけでなく、車両に発信機や爆発物などが仕掛けられていないかどうかの事前チェックや、危険物の設置や車両への細工等が行われないよう、常時、車両を監視します。PESやSAPとの連絡を密にし、ホテルや訪問先出発時の車両準備なども行い、スムーズな移動を心がけます。スムーズな移動は、安全性を高めるからです。
8-E)その他
その他、必要に応じて訪問先やイベント会場等の警備を実施する警備チームを編成することがあります。提携のイベント警備会社がございますので、私どもで手配することも可能です。また、海外VIP・要人警護のため、バイリンガル(英語対応,フランス語対応など)のボディーガードや、K-9と呼ばれる爆発物探知犬の手配なども可能となっております。
(9)海外要人警護サービスとは
CCTTが行う海外要人警護サービスは、下記の目標・目的を以て実施されております。
・日本滞在期間中、警備対象者様が安全かつ快適に過ごすことができ、日本訪問を満足すること。
・招聘元企業様の招聘目的が全うされ、すべてのイベント等が成功すること。
・関係者全員がHappyになること。
海外VIP,海外要人来日に伴うセキュリティで、私どもがお手伝いできることがあれば、お気軽にお問い合わせくださいませ。
0088-777-2288 (9:00~18:00)